早漏は治せる! ~早漏に対する治療~

早漏(Premature Ejaculation, PE)は、遅漏に比べると治療法の選択肢が多く、比較的早い改善効果が期待できます。性と生殖のあらゆる悩みの解決を目指す当院で行っている治療法について説明します。
1.薬物療法
早漏に対する薬物療法は、主に射精までの時間を延長し、性交の満足度を高めることを目的として行われます。-SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
①ダポキセチン(商品名:プリリジー・ポゼット)
50ヵ国以上で早漏治療薬として使用されており、ヨーロッパ、アジア、南北米など広範囲に取り扱いが認められています。通常は性交の1〜3時間前に服用します。即効性があり、連日内服の必要はありません。服用後、射精までの時間(IELT)を2〜3倍に延長する効果があり、射精制御感・満足度の改善がみられます。18歳以上で早漏の症状が6か月以上続いている場合が適応となります。主な副作用として、吐き気、めまい、頭痛、下痢、失神などが報告されています。失神リスクがあるため、水分と一緒に服用し立ちくらみに注意します。早漏改善に特化したSSRIであり、必要なときに内服すればよいという即効性がウリです。
②パロキセチン(商品名:パキシル)
日本では「うつ病」や「不安障害」などに保険適用されていますが、早漏に対しても20年以上前から適応外使用(off-label)として、臨床的に用いられています。パロキセチン20mg/日を1日1回、3週間以上服用したところ、IELTが平均約8.8倍に延長したとの報告があり、SSRI群の中でも、最も射精遅延効果が高いとされています。ただし、ダポキセチンと異なり「頓用」では効果が薄く、毎日服用する必要があります。また、効果が出るまでに 1〜2週間程度かかります。主な副作用として、吐き気、めまい、頭痛、下痢の他、長期服用は性機能障害のリスクが高まる可能性があります。
-局所麻酔薬(外用)
①キシロカインゼリー
陰茎の亀頭部に塗ることにより亀頭の感度を抑えることで射精反射を鈍らせることができます。射精までの時間を延長しますが、効果の個人差が大きいです。また、コンドームを使用してパートナーへの感覚移行を防ぐ必要があります。
-PDE5阻害薬との併用
①シルデナフィル(バイアグラ®)、バルデナフィル、タダラフィル(シアリス®)
PDE5阻害薬を内服すると、亀頭の感覚がやや鈍くなるため、早漏に対する効果が期待できます。ただ、PDE5阻害薬単独の早漏改善効果は限定的で、早漏に加えて勃起不全(ED)を合併している場合に有効です。
2.行動療法
早漏に対する薬物療法はあくまで対症療法であり、根治的治療ではありません。長期的には、行動療法や心理的アプローチとの併用が勧められています。当院では、プログラムを設定して段階的に治療を進めています。-ストップ・スタート法
性交中あるいはマスターベーション中に射精感が近づいた時点で刺激を止めて、射精の欲求が落ち着いたら刺激を再開する、という訓練を繰り返します。
-スクイーズ法
スクイーズ法は、射精直前の段階で陰茎を一定の場所で圧迫することで、射精反射を一時的に止めることを狙った方法です。具体的には、亀頭と陰茎冠部(コロナ)の境目を親指と人差し指で強く押すことにより、射精感を緩和します。
-TENGA Training Cup (Keep Training)
マスターベーター(masturbator)を使用した行動療法は、早漏のセルフトレーニングツールとして、近年注目されています。特にストップ・スタート法やスクイーズ法と組み合わせることで、より現実的な刺激環境の中で射精コントロールの訓練ができます。
